ストーリー

本当の願い

夏の日、男性はかき氷屋で涼を求めた。かき氷屋のおじさんは彼に「ひみつのかき氷」を提供した。男性は興味津々でかき氷を食べると、突然、目の前に妖精が現れた。「このかき氷を食べたら願いが叶うのよ」と彼女は微笑んだ。男性は翌日に重要な仕事を控えていたので、「明日は晴れてほしい」と願い事を告げた。

すると、翌日は大雨が降り続き、男性の仕事も失敗に終わった。がっかりしながらかき氷屋に出向き、「願いが叶わなかった」と話すと、おじさんはにっこり笑った。「君の願いは本当に晴れることだったのかな」と。
そこに一組の親子がやって来た。男性の妻と息子であった。三人はテーブルを囲んでかき氷を食べた。仕事が忙しく家族で食事をすることもままならなかった男性は、美味しそうにかき氷を食べる二人の顔をみて、妻と息子の幸せのために仕事をしているのだと思い出した。

三人で並んで店を出たときには雨はすっかり止み、空には大きな虹がかかっていた。

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